補修&排熱対策
後日追記:何だか調子が悪くて
せっかく組付けた50ccアルミシリンダーなのですが、なぜか調子が悪いのです。今までAIRSALのAF27用70ccのアルミシリンダーボアアップキットは自分のも含めて三台組みましたが、どれも調子が良くて好評でした。下からパワーがあって、上まで良く回るのです。
しかし、なぜか50ccのアルミシリンダーは???全然力が無くて。自分の調整の仕方が悪いと思うのですが???なのです。
ノーマルのシリンダーの時はしっかり走っていたのに。何かがおかしい。一旦程度の良いノーマル鉄シリンダーとノーマルピストンに戻す事にしました。
以下、最初に書いた記事はそのまま残しますが、うまくいかなかった例ですので承知の上お読みください。
元々の記事
作成しているAF27スーパーディオベースのオフロードレーサーですが、エンジンを開けてみたところシリンダーに縦傷が入ってました。残念。
アルミシリンダーに交換
長年不動で雨ざらしになっていた車両ですが、とりあえずエンジンはかかりました。一応シリンダーやピストンの状態を見ておこうと開けてみたのですが、シリンダーに縦傷が入っていました。あ~あ、残念。
エンジンカバーの取り外し
結構長い間雨ざらしになっていたみたいでシリンダーは真っ赤。シリンダーヘッドもクランクケースもアルミ特有の白サビだらけです。
クーリングファンは強化型に交換するつもりなので外しましたが、ジェネレーターはやはり真っ赤にサビています。
まあ、シリンダーとピストンの状態が良ければ錆を落として使えば良いや。と思って開けてみました。
シリンダーを外して中を見たところ、見事に縦傷が入っていました。上部はサビも来ている様です。
ピストンはこんな感じでリングの下まで黒くなっています。
シリンダーもピストンも交換してしまった方が良いですね。
さりとて、縦型2ストエンジンの純正の新品パーツなんて手に入らないし、程度の良い中古パーツも手元にありません。ネットを物色していたところ、AirSal社のAF27用のアルミニカジルメッキシリンダー49ccを見つけました。
実は私、公道用DioにAirSalの70ccアルミニカジルメッキボアアップキットを組んで乗っているのです。49cc版もあったとは。
70cc版は非常に良い物で、パワーアップするし良く回る上にアルミなので放熱性も良く、熱でタレることもありませんでした。
49cc版だったら発熱量も少ないはずなのでもっと熱ダレしないと予想出来ます。
純正ピストン取り外し
ピストンクリップを外す前にウエスで穴をふさいでから作業しましょう。もしもクリップを中に落としてしまったら厄介な事になってしまいます。
クリップが取れたらピストンピンを反対側から押し、出てきたピンを引っ張れば抜けます。
ごくまれにピストンピンが抜けない奴があります。クランプをプーラー代わりにして押し出すようにします。間違っても叩いてはダメです。
新しいピストンにリングを組む
49cc版のピストンリングは上も下も同じ物が付属していました。
刻印のある方が上になる様にピストンにはめます。
2ストエンジンオイルをたっぷり塗ってからはめましょう。
※写真に撮る事を忘れてしまいましたが、あらかじめ1000番のサンドペーパーでピストン全体の面取りバリ取りをしてあります。
ニードルベアリングは、なるべく新品に交換した方が良いです。今回は購入するのを忘れて再利用しました。状態は大丈夫でした。
たっぷり2ストエンジンオイルを塗ってから戻しました。
の字型のクリップをピストンにはめ込みます。クリップをよく見て、飛び出している方が外側に来る様にはめるのですが、このクリップは真っ平でしたので特に気にすることなくセットしました。
溝にしっかりとはめ込まれたのを確認しましょう。
ピストンピンにも2ストオイルをたっぷり塗りましょう。
そしたらピストンを取り付けます。ピストンピンをグッと押し込み、クリップをはめ込みます。
※ピストンには取り付け方向がありますので注意しましょう。頭に→が書いてあり、矢印の向いている方が前(排気側)です。
アルミシリンダーをはめる
ベースガスケットを仮付けしてみましょう。シリンダーの穴を邪魔する箇所がありますので余分な部分はカッターで切ってしまいます。
気持ちの問題かもしれませんが、吸気を邪魔する様で気になってしまいます。
シリンダーの内壁にも2ストオイルをたっぷり塗っておきましょう。
ピストンリングのハマるボッチに気を付けながら指で押さえつつシリンダーを上からかぶせます。
ベースガスケットがズレない様に注意しながらはめ込みましょう。
スタットボルトを入れてみてベースガスケットの穴が大丈夫か確認します。
シリンダーヘッドの掃除
あまりにも汚くなっていましたのでワイヤーブラシを使って綺麗にしてから取り付けます。
このアルミシリンダーは純正のヘッドを使うタイプです。
綺麗にしてからスタットボルトを締め付けて完了です。
強化クーリングファンを取り付け
街中の走行だけなら純正のクーリングファンでも大丈夫でしょう。しかし、オフロードレースではかなりエンジンを酷使します。発熱も相当なものになります。少しでも冷却性能を上げておくに越したことはないでしょう。
純正の鉄シリンダーでもこのファンを使うと熱ダレが少なくなりました。風量はアップします。
ちなみに、もっと安くて軽量な強化ファンと比較してみましたが、それはすぐに熱ダレがやって来てしまい使えませんでした。次に良かったのが純正クーリングファン。一番熱ダレが無かったのがこのクーリングファンです。
面倒くさいけど、炎天下の中で付け替えながらテストした結果です。
さて、今回は放熱性の良いアルミシリンダープラス強化クーリングファンで真夏のレースでも熱ダレすることなく走れるのではないかと思っています。
慣らし運転の様子
オイルポンプは外しているため、ハイオクガソリンにカストロールパワー1レーシングを40:1で混合して燃料タンクに入れて慣らし運転を開始しました。
※高圧縮になるのでハイオクガソリンを使います。
最初はおや?と思う程パワーが無くて何だこりゃ?って感じでした。それで10kmほどトロトロ走って初日は終わりました。
翌日になると昨日とは全然違う感じでパワーを感じました。少しなじんだのでしょうか。
初日と翌日でこんなに変化があるのは初めてですが、何だか底力を感じます。これから慣らし運転をしつつ細かくキャブ調整を行うつもりです。
後日追記
なぜか不調です。キャブ調整も試みたのですが低速で全くパワーを感じません。何でだろう?縦傷が入っていたノーマルシリンダーの方が力があったぞ…。良くわからない。
規定違反にならない様に注意。
ローカルなオフロードレースですが、エンジンを改造してはいけない決まりのレースと、50cc以下を守ればエンジンを改造しても良いレースとありまして、このAF27は改造ても良い方で走るマシンになります。
一台エンジン無改造のAF27がありますので、こちらは思い切ってアルミシリンダーに交換した次第です。(何しろシリンダーとピストンがダメでしたので。)
今回使った商品は次のとおりです。
強化クーリングファンは次の物です。色はシルバーを購入しましたが黒でも効果は同じです。
2ストロークエンジンオイルはカストロールパワー1レーシングです。
AirSal49ccアルミシリンダーですが、現在Amazon通しでは買えないみたいです。KN企画さんのサイトで探してみてください。
ちなみにこちらはAirSalの68.7cc(70cc)のボアアップシリンダーです。49ccにこだわらなければこのボアアップキットはおススメです。
くれぐれもお間違いなく。上記のリンクは68.7ccボアアップキットです。
ヤフーショッピングと楽天ではAirSalの49ccのアルミシリンダーが買えますので、免許の都合やら何やらで50ccのままが良い方はそちらが良いと思います。検索窓に49ccを追加して探すと出てきます。
後日追記:私の調整の仕方が悪いと思うのですが、50ccのアルミシリンダーだと思った様なパワーが出ませんでした。結局ノーマルのピストンとシリンダーに戻しました。
ノーマルに戻しておけばレギュレーション的にはどちらのレースにも出場出来るから良いのですが、何だかしっくりこない結末になってしまいました。今後このアルミシリンダーとピストンをどうしようか?もう一台AF27のジャンクがあるのでそちらを復活させてから組みなおしてじっくり調整してみようか?思案中です。
更に後日追記:純正シリンダーに戻した時の様子の巻
ちなみに外した純正シリンダーがこちらです。真っ赤に錆びていて酷いものですね。錆の熱伝導率は低いため、このままでは放熱に問題が生じる事は明らかです。
そこで、他のマシン(AF27)で外した純正シリンダーの錆を落としたものがこちらになります。
初めて錆取り剤に浸して処理したシリンダーで、まだ慣れていなくて多少錆が残ってしまいました。(二個目からは完璧に処理できるようになりました。)
シリンダー内部の様子が一番良いのでこのシリンダーとセットになっていたピストンを取り付けます。
まずは軽くホーニングして内壁に横スジを付けておきました。
やり過ぎると内径が大きくなってしまって圧縮が抜けて力の無いエンジンになってしまいますので注意ですね。
軽く、横傷がつく程度にしておきました。
この横傷は油膜を保持してくれるって事みたいです。ツルツルになっていたら軽くホーニングしましょう。
このまま取り付けてしまうとまた錆だらけになってしまうので、耐熱シルバーで塗装しました。
シルバーの顔料はアルミの粉みたいなので多少は放熱効果的に良いのかと思います。少なくも錆びだらけのシリンダーよりは良い筈です。
パーツクリーナーで油分を良く落としてからマスキングして、耐熱シルバーを吹きました。
良く乾燥させてから組付けました。実際にエンジンをかけて熱を持たせるとしっかり硬化する様です。
純正に戻して乗ってみた感想
純正シリンダーとピストンに戻して、ハイオクの混合ガソリンを抜いて、レギュラーの混合ガソリンを入れて試走しました。50:1です。
結果は低回転からトルクがあって加速が良いです。これだったら純正に戻したままオフロードレース仕様とします。駆動系の調整はこれからになりますが、充分走り回れるだけの力があります。後は熱ダレがどうなるか?ってところですね。
このマシン、純正シリンダーが錆ない様に耐熱塗料を塗っただけなので。エンジンの改造がご法度のレギュレーションにもOKです。
オンボロバイクの復活をまとめたページはこちら。