エンジンかかるかな?
すぐに作業に取り掛かろうと思っていたAF27スーパーディオのレストアですが、職場の同僚のために公道仕様(林道激走)のスーパーディオをAIRSAL68ccのアルミシリンダーで作ることになり、そちらの作業を優先していたため後回しになってしまいました。
実はこのマシンの後、2台のAF27を手に入れたのです。それをニコイチして68ccの林道激走仕様のスーパーディオを作って納車したのです。土日の度に作業して丸々2か月かかりましたが、その様子は私のバイク専用サイトにアップしてあります。
オフロード耐久レース用マシン
同僚のマシンを作りながら、このAF27は公道仕様のまともなマシンに仕上げようか?それともゴリゴリのオフロードレース用マシンに仕上げようか考えていました。
実は私、50㏄限定のオフロード耐久レースのスクータークラスに参戦して楽しんでいます。2021年11月の大会では弟と組んで優勝する事が出来ました。

その時のマシンもAF27なのですが、初期型のためクランクシャフトが細軸タイプなのです。細軸タイプはボアアップ等すると折れてしまうそうで、中期後期型になると太軸タイプになったのだとか。
普通に公道を走っているだけなら問題無いのでしょうけど、いろいろとイジリたくなってしまうマシンなのですよこのAF27は。
レギュレーション
レギュレーション的には「排気量は50cc以下」とされているため、ボアアップでパワーアップすることはご法度です。
50ccの枠内で効率よくパワーを引き出す事とロスを少なくする事が胆になるのです。しかも、最高速を狙うよりもスタートダッシュや登坂力に重きを置いた設定にしています。
計測する方法が無いので何とも言えないのですが、カタログスペックでは軸出力6.8馬力のマシンです。私のレース用AF27はカタログスペック通り6.8馬力位出ているんじゃないか?と思われます。
このマシンのエンジンはノーマルのシリンダーとピストン。ノーマルのエアクリにノーマルのマフラーにノーマルのキャブです。エアクリの吸う量を増やした分燃料も多くしていますが、それ以上の事は行っていません。
スクーターは駆動系で50%位ロスしてしまうらしいので後輪で測れば3.4馬力位になってしまうのが残念です。それでも、オフロードレースで条件の良いビジネスバイククラス(カブ、メイト、バーディー軍団)に食らいつくことが出来ています。
改良点
今回新たにオフロードレース用マシンを作るにあたって改良したい点がいくつかあります。
手動チョーク化
オートチョークの故障はよくある事で、チョークが効いた状態のまま動かなくなってしまう事が多いです。また動作しているけど完全動作していないとかもあります。これではキャブレターの調整がうまくできません。
そこで、オートチョークは廃止して手動チョークに交換してしまいましょう。
これでバッチリです。
三個入りでお得です。全部のマシンを手動式に交換しようっと。
負圧燃料ポンプ廃止
同僚のAF27林道仕様を作っている時、負圧燃料ポンプが故障していたのでもう一台のマシンから移動したのですがそいつも壊れていて燃料が全然送られなかったのです。
レース中にまさかの故障があるとアウトです。
そこで、燃料ポンプを使わなくて良い様に別のタンクをメットインスペースに設置します。
このタンクはスペイシー125用の燃料タンクです。ヤフオクで仕入れたもので、メットインを少し加工すれば収まりそうです。
容量も6.5リットルあるため、80分の耐久レースなら無給油で走り切れます。
※メインジェットを大きくしている事もあり燃費はとても悪いのです。5リットルの標準タンクだとギリギリで、ガス欠を避けたかったので一回給油したのです。
キャブレターより高い位置に設置するので燃料ポンプの必要はありません。
混合給油化
分離給油のままだとまさかのポンプ故障などでオイルが供給されなかったら焼き付いて終わりです。また、キッチリ比率がわからないので思い切ってオイルポンプを廃止して混合給油にします。
これで燃料ポンプとオイルポンプにおさらばできます。故障するかもしれない物を2個排除できました。
とりあえずXR用の燃料タンクが余っていたので50:1で混合燃料を作って供給してみました。2ストエンジンオイルはカストロールパワー1レーシングです。
さあ、エンジン始動できるかな?
※当然キャブレターはヤマハのキャブクリーナーで綺麗にお掃除してあります。
無事エンジン始動
無事にエンジン始動!しばらくアイドリングでカストロールパワー1レーシングを行きわたらせてからアクセルを開けてみました。
良い状態です。ストレスなく高回転まで吹け上がります。
おばちゃんが買い出し用に乗っていたマシンなので無茶苦茶な運転はしていません。かなりいい感じでスムーズに回ります。
ちなみにここに至るまでに行った作業は以下のとおりです。写真は撮り忘れました。
マフラー洗浄
パイプユニッシュを入れて二昼夜放置した後、ホースをつないで水道の水をガンガン入れてドロドロを排出します。泥蜂の巣も排出されてしまいます。
キャブ洗浄
全部バラシてビニール袋に入れてヤマハのキャブクリーナーを吹いて一晩放置しました。
また、ゴムのパッキン類は新品交換したところ、燃料のにじみも無く絶好調です。
ホンダ純正品で交換しました。
駆動系の掃除
ケースのネジが外されたまま放置されていたのでマズイなあと思っていたら案の定。
アルミのプーリーは白サビだらけ。ドライブフェイスは赤サビだらけ。ドライブ側のプーリーも真っ赤にサビていて使い物になりません。状態の良い在庫の品に交換しました。
ケース内のサビや汚れもなるべく落としました。
ウエイトローラーは酷く片減りしていましたのでKN企画の物に交換しました。プーリーはとりあえず純正の在庫品を入れておきました。
標準で8.5g×6個です。後で重さを変えて調整します。
クランクシャフトなども若干サビていますがサビ取りクリームで錆を取ってから組みなおしました。
ドライブベルトだけは一回交換したらしく、状態の良い物が付いていましたのでとりあえず再利用です。駆動系で使えたものはベルトだけでした(笑)
今後行う改良
ちょっと資金が足りないのでしばらくこのまま純正部品で行きますが、本番のオフロードレースに向けて以下の改良をしたいと思います。
サスペンションの交換
フロントはKN企画さんのズーマー用の油圧式ダンパー。操作性が良くなるばかりか若干の車高アップにもなります。
リヤはYSSのライブディオ用でこちらも5cm車高アップ。これでお腹をぶつける率がかなり減ります。
駆動系の調整
本番前にはキタコのハイスピードプーリーに交換して、ベルトも強化ベルトに交換して、ウエイトローラーの調整をする予定です。
AF27中期後期の太軸タイプはこちらを使用してください。
クラッチ関係は純正で充分なのでこのまま使います。
強化クーリングファン
真夏の大会では熱ダレに悩まされました。KN企画さんの強化クーリングファンは風量が増えて効果ありです。(KOSO)
また、シリンダーヘッドの表面積を増やして少しでも熱を逃がす様に工夫しています。
強化フレームに搭載
最終最後は強化フレームに搭載です。
これが搭載予定のフレームですが、センターにパイプを溶接して折れにくくします。また、ステップボードの位置を下げるのとワイドステップを自作して取り付ける予定です。
これでスタンディングポジションが行いやすくなるのと、コーナーでの踏ん張りが効く様になります。
とりあえず、今日のところはここまでです。作業が進んだらまたアップします。