進化した溶接機
実は私、スクーターで行うオフロード耐久レースに出場しています。
これは中古でもらったホイールに付いていたノーマルタイヤです。これを外してオフロード用のブロックタイヤに交換するのですが、野ざらしになっていたタイヤは硬くなっていて、タイヤレバーだけで外すのは本当に大変なのです。
練習用とレース用合わせて3台あるスクーターのタイヤを何度も組み変えるのですが、特にチューブレスタイヤを外す時は大変です。汗だくです。
コツはつかみましたが、一日に何組もやるのは本当に大変です。
そこで、思い切ってビード落とし(ビードブレーカー)を作ってしまおう!と思い立ちました。スクーター専用サイズで作れば場所も取らないだろうし、買うより安く作れるはずです。
最近ノンガス半自動溶接機を購入したので練習にはもってこいです。
必要な材料
普通にAmazonなんかでバイク用のビード落としを買えば4,000円位はします。目標は2,000円以内。これ以上高かったら買った方が良いじゃん。って事になってしまいます。
※製作にかかる時間は別です。
・L字アングル3本 1本378円×3=1,134円 (使ったのは2.5本)
・内径25mm丸パイプ 328円
・ユニクロボルト4本 55円×4=220円
合計1,682円なので予算以内です。
その他として塗装用にシャーシーガードブラックを使いましたが、余っていた物なので計算には入れていません。
作り方手順
製作にかかった時間はおよそ4時間くらいでした。早速手順を紹介しましょう。
アングルのカット
まずはL字アングルのカットです。カットしたい箇所に赤鉛筆で印をします。
折り曲げる予定なのでV字にカットしました。
カットしたアングルを折り曲げました。
こんな感じでタイヤが乗るわけです。
10インチのスクーターサイズなので小さめです。
ノンガス半自動溶接機登場
今までは普通のアーク溶接機を使っていましたが、家庭用100V電源ではうまく溶接できませんでした。
今回用意したのは進化したノンガス半自動溶接機です。
家庭用100V電源で上手に溶接ができる上に使い方も簡単です。
電源はなるべく壁のコンセントから取った方が良いですが、10m位までなら太めの延長コードでも大丈夫です。
初めて使う時はワイヤーのセットを行わないといけませんが、難しい事はありません。
所定の位置にワイヤーをセットして固定してトリガーを握って送り出すだけです。
トリガーを握らない限り通電しませんので、まずは位置を目で確認する事ができます。
位置が決まったらトリガーを握れば通電します。同時にワイヤーが送り出されてアークが始まります。
この機構がとても便利なのです。
※一部の安い半自動溶接機は常に通電しているため意図しないアークが発生してしまう場合があります、
テストでアングルを溶接してみました。まだ不慣れなので恥ずかしいのですが、割と綺麗に出来ています。
裏を見るとしっかり溶け込んでいる様子が伺えます。
今までの溶接機は何だったんだ。
さて、先ほど曲げたアングルを余接で固定して行きます。
練習を兼ねた製作なので勘弁してください。
でも、自分で行った溶接にしてはまあまあの出来栄えで嬉しくなってしまいました。
アングルに穴あけ
次はハンドルを取り付ける部分のアングルに穴を開ける作業です。
位置が決まったらポンチを打っておきましょう。これでドリルの刃がずれにくくなります。
ボール盤があるので使いましたが、普通のドリルでも大丈夫です。8mmの刃です。
オイルを刺しながら開けましょう。
ハンドルの取り付け
内径25mmのパイプを50cmに切って穴を二箇所貫通させました。
位置が決まってから縦のアングル二本も溶接しました。
写真の様に短いパイプと長いパイプをネジ4本で連結します。
ビード落とし用の平べったい金具を溶接します。
この金具部分も家に転がっていた金属板です。
組み上げた感じはこんな感じです。
実際にビードを落としてみました。上からレバーを下ろすと見事にビードが落ちました。
長期間野ざらしになっていて錆だらけです。こういうのを手で外すのは本当に大変なのです。
お手製ビード落としでアッサリと外れました。これで作業がはかどります。
シャーシーブラックで塗装
一回バラして錆防止のためにシャーシーガードブラックで塗装しました。
充分硬化してから組み直しました。
完成の図。こんな感じです。手作りにしてはまあまあです。(自己満足)
今回使ったノンガス半自動溶接機はこちらです。
家庭用100V溶接機は進化していて使えます。
買った方が安いのかもしれません。
材料費だけで4時間分の労力は入っていませんから。
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