無い物は作る

私の本業は介護職です。現在は入所側のユニットに居ます。

ユニットには小柄で円背な車椅子利用者が居ます。その方に低いテーブルを用意しましたが、テーブルを低くすると車椅子がテーブルの下に入らなくて、お盆が遠くなってしまって食べにくい。

車椅子の手すりに取り付けるタイプのテーブルも使ってみましたが、お盆は近くなりますが高くなってしまって食べにくいのです。

そこで、膝の上からお腹にかけてお盆が乗っかる様な、小型のテーブルを作ってみたところ「とても食べやすくなったよ。」と喜んでいただけましたので紹介します。

このテーブルがあれば食事を介助される事なく自力で摂取できました。

車椅子用テーブルの作り方

まず、車椅子に乗った状態で高さ、幅、長さを計測させてもらいました。

その結果出来たのがこの寸法です。

・天板までの高さ55.0cm

車椅子に座った状態でテーブルをセットすると、利用者の脚の上にギリギリテーブルが乗っかる高さです。

・天板の幅41.0cm奥行き18.0cm(手前)

車椅子の手すりと手すりの間にピタリとはまる幅が41.0cmで、奥行き18.0cmでした。お盆をギリギリまで引き寄せることができます。

・天板の幅60.0cm奥行き25.0cm(奥側)

ここにはお盆の半分とティッシュボックスやお手拭きなどが乗る様に幅を広くしてあります。

材料は杉野地板

今回のポイントとして、利用者が使いやすい寸法で作るのがまず一番にありました。

次に、安価に作るということ。更に、スタッフが扱いやすい様に軽く作るということ。

この条件を満たす材料は杉の野地板です。安価で軽くて良いのですが、野地板はカンナがけをしないといけません。

まずはカンナがけ

家には電気カンナがあるので自分で行いました。最初からカンナがけが出来ている杉板を買った方が楽でしたね。

野地板は一枚200円位です。今回2枚使いました。

材料の切り出し

頭の中にある図面のとおり部材を切り出しました。

脚の部分は丸い穴を開けてデザイン的に見栄え良くしています。(ホールソーとボール盤を使いました。)

組み立て

切り出した部材は職場に持って行って組み立てを行いました。

コーススレッドビスを使って組み立てています。バラして寸法を変える事もあるかと思い、接着剤は使っていません。

木部保護塗料

組み立てが終わったら木部保護塗料を塗っておきましょう。

塗らないまま使うと時間の経過とともに変色してしまいます。また、汁物をこぼした時に吸い込んでしまいます。

この保護塗料は水性塗料です。キツイ匂いがしないので半日もすれば使うことが出来ます。昔に比べて水性塗料の性能はかなり良くなっています。

テーブル完成

出来上がった車椅子用小型テーブルをご覧ください。

手前が狭く、奥が広いテーブルです。手前の狭いところは車椅子の手すりと手すりの間にスッポリはまります。

側面から見ると脚が斜めになっているのはデザイン性もありますが、車椅子のブレーキを解除した時に手が当たりにくくするためです。

正面から見るとこんな感じです。脚が開かない様に、グラグラしない様に横板が入っています。

この横板の下から車椅子のステップを立てた状態で通ります。

実際の車椅子にセットしてみました。

小柄で細い方なので、目一杯ピッタリ付けても座る事ができます。

 

ちなみに重量はちょうど3.0kgに抑える事ができました。

この軽さなので指でつまんでも持ち上げる事が出来ます。

天板のサイドには少し段差をつけて持ち上げやすくしています。

利用者さんに使ってみてもらいました。試しにお盆とカップを置いてみましたがOK。

この後、夕食で使ってもらったところとても喜んでもらえました。

車椅子小型テーブル作成まとめ

市販の物でピタリと合えば良いのですが、利用者の体のサイズや症状は人それぞれ。

食事はなるべく自力で摂取できた方が良いですね。介助されると、次に食べたいと思っている物が口に入るとは限りませんもん。

このテーブルで「食べるのが楽になった。」と喜んでもらえました。

参考になれば幸いです。