使用上の注意(一酸化炭素中毒)
最初に、この様なエンジン式の発電機を使うときの注意点です。
✔ 「重要」屋内で使用しないでください。
北海道のブラックアウトの時も、千葉県の大規模停電の時も、エンジン式発電機を家の中や建物の中で使用していて一酸化炭素中毒を起こして亡くなった方がいます。
建物の中で使用してはいけません。これだけは守りましょう。
かからない原因はガソリンの劣化
さて、日本各地で起きる自然災害。今の時代、電気が止まってしまうと本当に困ってしまいます。
2019年09月は台風15号の影響で千葉県を中心に大規模な停電が発生し、電気のない不自由な生活を余儀なくされた方が大勢います。
被災された方達が1日でも早く元の生活に戻れる様に祈っています。
古い発電機のエンジンをかける
連日テレビで台風被害についての報道が行われています。これって他人事じゃなくて明日は我が身に起こることかもしれません。
私の家は標高1000mの山の中にあるため、倒木によって停電する事は充分考えられます。実際子供の頃はろうそくで過ごしたこともあるのです。
そんなこともあってか親父がポータブル発電機を持っていたのですが、あれって何処に置いてあったっけ?
探したところ、納屋の奥の角のところに埃をかぶった状態で置きっ放しになっているのを発見しました。
引っ張り出してみたところ結構な年代物ですね。
まずは外観を綺麗にしましょう。
タオルで綺麗に拭き上げましたが、土埃が溜まった状態でひどいのなんの。
こりゃ何年納屋の隅っこで寝ていたのかちょっとわかりません。でも、メンテナンスの第一歩はまず綺麗にしてあげることからですね。
外装も取り払って本格的にメンテ開始といきましょう。
古いガソリンを抜く
発電機って使う時には使うけど、使わないと何年もほったらかしになってしまうものです。
エンジンがかからない原因で一番多いのは劣化したガソリンのせいです。
案の定、燃料タンクを開けると悪くなったガソリンの匂いがします。
そこで、燃料タンクからキャブレターまで伸びている燃料ホースを取り外しました。
ダイヤルを運転の位置に回すと燃料コックが開いてガソリンが流れる仕組みです。
あれまあ、黄色いガソリンが出てきました。
あまりにひどいガソリンが出てきたので燃料タンクに新しいガソリンを入れて洗浄することにしました。
出てくる出てくる汚いガソリンが。
新しいガソリンと混じっているのですが、濁っています。
入れたガソリンも全部捨てて、きれいになったところでキャブレターにつなぎ直して再びガソリンを入れてキャブレターの内部へ送り込みます。
キャブレターのドレンボルトを回して内部の劣化したガソリンを捨てましょう。
最初に劣化したガソリンが出て、そのうち新しいガソリンが出てきたら大丈夫。キャブレターまでの経路は新しいガソリンで満たされました。
エアクリーナーをチェック
次は空気取り入れ口です。エアクリーナーを外してみましょう。
真ん中のネジを一本外せばこんな風にバラせます。
中のスポンジが汚れで詰まっていたら灯油などで洗ってからオイルを染み込ませてセットしなおせばとりあえずOK。
劣化してボロボロだったら部品を探して交換です。
今回は大きな汚れもなかったのでそのまま戻してチェック完了。
エンジンオイルの交換
大抵のポータブル発電機は4サイクルエンジンを搭載していますので、乗用車用のエンジンオイルが使えます。
人差し指の先にある黒いのがオイルキャップです。これを回して外します。固い場合はプライヤーやペンチで挟んで回しましょう。
発電機を傾けて内部のエンジンオイルを排出します。
出る出る。汚れた黒いオイルが。
全部出し終わったら新しいオイルを入れれば良いのですが、今回はシエンタに入れたカストロールEDGEが少し余っていたので入れておきました。なんて贅沢な発電機だ!100%化学合成油だぜ。
オイルジョッキに新しいエンジンオイルを入れてから発電機のエンジンに入れて行きます。
入り口がちっちゃいのでこぼさないようにゆっくり入れないといけませんでした。
この手のエンジンは、口元いっぱいまで入れればOKです。だいたい400cc位入りました。
カストロールEDGE独特な黄色い色が光りますね。
オイルキャップをしっかりと閉めたらオイル交換完了です。
今回は余ったEDGEがあったので入れましたが、通常はこちらのオイルがオススメです。
カストロール GTX10w-30です。
1リットルタイプなので半分くらい余ってしまいますが、4リットル缶だと多すぎますから。
点火プラグのチェック
次にチェックしておかないといけないのが点火プラグです。人差し指の先のとんがっているやつ。黒いキャップを外した状態です。
こいつをプラグレンチを使って外してください。
時計と反対に回せば外れます。
点火プラグがすすけた状態。
先っぽの方がだいぶ黒くススけた状態になっていましたので、ワイヤーブラシを使ってススを落としました。
軽くこすってススが取れれば大丈夫です。
電極が丸くなっている様だったら新しい点火プラグに交換してしまいましょう。点火プラグの番号を確認して同じ物を購入しましょう。
ちなみに、点火プラグがきちんと動作しているかチェックする方法はこちらです。
スイッチを運転にしてから点火プラグにプラグキャップをはめてエンジンの金属部分に点火プラグの金属部分を当てておきます。
この状態でリコイルスターターを引っ張って見てください。
点火プラグの電極のところが青白く光ればOKです。ここまで電気が来ていて点火プラグは動作しています。
逆に点火プラグの電極が光らない場合は、点火プラグがダメなので新品に変えてみましょう。それでも光らなければ??電気系統がダメになっていると思います。ここから先は専門家にお願いした方が早上がりなので修理を依頼しましょう。
その他のチェックポイント
✔︎ マフラーの穴が詰まっているとエンジンはかかりません。
たまにドロ鉢が巣を作ってあって、マフラーの穴がドロで埋まっていることがあるのです。
マフラーの穴の中をよく覗いてみて、何か詰まっている様ならかき出してあげましょう。
✔︎ 燃料ストレーナ
たまにタンクの入り口に付いているごみ取りを外して使っている人がいる様です。農機具なんかで見かけます。しかし、これは付けておいた方が良いでしょう。こういう機械はゴミが入りやすいですから。
燃料ホースの途中にもストレーナーが付いています。チェックしてみてダメそうなら新しいものに取り替えておきましょう。
黄色い○のところに付いているパーツです。燃料のごみ取りです。
✔︎ パーツクリーナーで洗浄
油汚れがひどい箇所はパーツクリーナーを使って綺麗にしておきましょう。
✔︎ 50Hzと60Hzを間違えない様に
大抵の発電機は切り替え式になっています。メンテナンス中に動かしてしまう可能性があるので確認してから使いましょう。
ちなみに地域による違いは次の通りです。長野県を界には60Hzと50Hzに分かれています。

ギリギリに住んでいる場合は自分の使っている電力会社のホームページで確認してみましょう。
うちは長野県なので60Hzにセットします。(写真は50Hzの位置になっています。)
※長野県と新潟県に一部混在地域がありますので注意しましょう。
エンジンかかるか?
さて、一通りのメンテナンスが完了したのでいよいよエンジンをかけてみましょう。
1・メインスイッチを運転の位置にします。
(今日は気温30℃近い日だったので運転位置でスタートです。真冬や気温が低い日はチョークの位置にして行いましょう。)
2・リコイルスターターを引きます。
それ!っと引っ張ったら何と一発でエンジンがかかりました。
やったぜ!新しいガソリンの威力だぜ!
発電チェック
とりあえず近くにあった電動工具を使ってみました。
OKちゃんと動きました。大丈夫。
エンジンはかかったし発電もしていることが確認できたのでこれにて終了です。
ポータブル発電機のエンジンがかからない時まとめ
いざ使おうとした時にエンジンがかからないのでは仕方ありません。事前に動作確認をしておきましょう。
✔︎ 大抵は劣化したガソリンが原因
この手のエンジンがかからない時って劣化したガソリンが原因のことが多いです。
使う時は使うけど、使わない時は長い間ほったらかしになっちゃう発電機や農機具では多い症状です。
燃料系を綺麗にするだけで大抵かかります。忙しい時はこれだけやって使える様にしましょう。
時間があったらゆっくりエンジンオイルを交換したり、その他のメンテナンスをして準備しておきましょう。
✔︎ 回転が安定しない
ちなみに、かかったけれどエンジンの回転が安定しない場合があります。
ドルルルーンドルルルーンと上がったり下がった息ついたり。こんな症状が出た時はキャブレターの詰まりを疑ってみてください。
ちょっと面倒な作業ですが、キャブレターを外してキャブクリーナーを使って洗浄しないといけません。細いニードルなんかも外して洗浄しないといけません。
自信ない方はプロの農機具屋さんにお願いしてしまいましょう。
ポータブル発電機購入計画
無事にエンジンがかかって発電できることがわかった我が家の古い発電機ですが難点がいくつかあります。
✔︎ 燃費が悪い
燃料タンクは2リットル入りますが連続使用時間は3時間程度しかないことがわかりました。60Hzで3.4時間50Hzで2.9時間と本体に書いてあります。もうちょっと連続して使えないものか?
✔︎ 騒音問題
エンジンをかけてみてわかったことですが結構うるさいです。まあ、旧式の発電機だから仕方ないと言えば仕方ありませんが、特に夜間は使えないうるささです。こんな山の中でさえうるさいと感じるのです。街中では使い物になりません。
そんなこんなで新しいポータブル発電機を仕入れようと計画中です。
今、一番の候補はこの二台です。
YAMAHA EF900is(防音設計)
レビューを見ると2.5リットルのタンク容量でエコモードを使うと11時間連続運転できたとのこと。
HONDAだったらこちらです。
どちらにしようか迷うところです。
※今回復活させたのは富士ロビンのBR550という発電機だったのですが、この会社はもうありません。富士重工の子会社だったようですがマキタに買収されちゃったみたいです。
なので機種専用パーツの入手が必要になった時に面倒ですね。(エアクリーナーのフィルターだとか、ダメなら作ればいいんだけど、面倒くさいし。)
YAMAHAやHONDAならそういう心配は要らないでしょう。
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