安価に自作する

MT-25が納車されて数日が経過しました。カッコイイスタイルによく回るエンジンと、不満な所はあまりありませんでしたが、唯一気になっていたのがライトの上の小さなカバー。

この黒いパーツですが、メーターまで届いていないし風除けにはなりません。いかにも後で純正の風防に交換してくださいね。って感じで付いてます(笑)

ネイキッドモデルだからこのままでも良いのですが、後付けのスクリーンがあるとわかると付けてみたくなるというものです。

アマゾンで検索したら純正品で12,000円位します。社外品や汎用品もありますが、やはり同程度の値段がする上に形もイマイチです。

それだったら、よ〜し!一丁作ってみよう。

※素材は三種類試し、形も試行錯誤して6作目に完成型となったのはこのスクリーンです。

実はこのスクリーン、夜になるとポジションランプの光りを拾って縁が光る様に作ってみました。

完成型のスクリーンの素材はPET樹脂板です。ペットボトルと同じ素材で出来ていて、カットや曲げの加工がしやすい上に強度もあって透明感も上々です。

ウインドスクリーン自作手順

まず最初に考えたのは、カッコイイバイクに付けるのだから「いかにも自作で後から付けました」的な物では格好悪くなってしまいます。

シンプルでカッコイイスクリーンを作ってみようとデザインをあれこれと考えました。

デザイン選定

シンプルでカッコイイスクリーンといえば、GSX1100S刀のスクリーンではないでしょうか。

SUZUKI 刀 PhotoACより。

私の様なオッサンバイク乗りには刀といえば憧れのバイクです。

2019年5月、40年の時を経て新しい刀が発売になりました。初代刀のイメージを残しつつも今風のカッコイイデザインですね。後に400ccや250ccも出てくるといいなあと思います。私はヤマハ好きなのですが、刀だけは別ですね。

そんな刀のウインドスクリーンをイメージして作りました。

材料の選定(硬質塩ビ板)

最初に作った材質は硬質塩ビ板です。透明で加工がしやすくて強度があってしかも安価な物といえばこれがすぐに頭に浮かびます。厚さ1mmの物なら加工しやすくて歪みもほとんどありませんし透明度も高いのでバイクのスクリーンを自作する際の材質としてはよろしいかと。

あと、縁取りのために自動車のドアなどの縁に貼るモールを用意しました。8mで600円位の物です。

※ただ、加工がしやすいけれど屋外使用では経年劣化が早かったり傷が付きやすいというデメリットはありますが、ダメになったら簡単に作り直すことが出来るので良しとしましょう。

✔︎ 塩ビ板は額を作った時にガラスの代わりに使った物の余りを使いました。実質80円位です。

(畳一畳サイズで1700円位の値段でした。切り売りだと高くなります。)

✔︎ モールは車のドアに使った余りを使いました。8mで600円でしたので、使った分で実質50円位です。

完成間近のスクリーンです。(硬質塩ビ板)

 

自作スクリーン(モールまだ無し)

今回は余り物で作ったので材料費0円位で出来てしまいました。(家に在庫が無ければ新規購入しないといけません。)

型紙作り

さて、いきなり塩ビ板を切り始めるわけにはいきません。A4のコピー用紙二枚をセロハンテープでつなげてA3サイズにして型紙を作りました。

ちなみにこの型紙は三つ目のものです。

※幅37cm高さ30cmです。

型紙を切り出して純正の黒い小さいカバーに合わせてみます。

まあ、ただのコピー用紙なのでヘナヘナしていますが、思った通りの形になっているかどうか確認しましょう。

※元々付いている小さなカバーはそのまま生かし、メーターの間に挟み込む形で作りました。

少しづつ寸法を変えながら三回目の型紙でまあまあ良い形になりました。

※穴の位置は裏から指を強く押しつけると丸く窪みがつきます。

塩ビ板の切り出し

出来た型紙を元に、塩ビ板に鉛筆を使って線を引きます。

ちなみにこの塩ビ板の商品名は「サンデーシート硬質塩ビ板」です。

線が描けたら定規とカッターを使って慎重に切り出します。

何度も何度も刃先を使って筋を引くように切ればそのうち切り離す事が出来ます。

※Pカッターを使えば楽に切れますが、今回は1mmだったのであえて普通のカッターで切りました。

切り出したスクリーンの原型です。

穴の位置に印を付ける

切り出した塩ビ板に型紙を合わせます。

型紙の窪みになっている部分に千枚通しなどを押し付けて目印を付けておきました。後でドリルで穴を開けます。

サイドの曲がりを付ける

スクリーンの両サイドには、風圧に耐えることが出来る様に曲がりを付けて強度を出しました。

当初、バーナーで炙って曲げましたが、熱を加えた場所やその周辺が白くなってしまったり、油断するとお焦げになってしまいましたので方法を変更しました。

曲げたい部分の線の両側にガムテープを二重に貼ります。塩ビ板の保護シートは付けたままで貼ります。

保護シートを外してから行うと、ガムテープが塩ビ板に張り付いてしまいダメでした。

次に、沸騰させたお湯をガムテープとガムテープの間に流します。熱いお湯を上から流し落とす感じです。

コーヒーを淹れる時のコーヒーポットがあったのでそれを使いました。先が細くて狙いが定まりやすかったです。無ければ普通のヤカンでも大丈夫です。

塩ビ板が柔らかくなったら定規を使って線の通り曲げます。

温めすぎるとグニャグニャになってしまい、曲がり角がきれいに仕上がりません。少し硬めで温めては曲げ、温めては曲げを繰り返しながら好みの角度にして行きました。

角度が決まったら手早く水で冷やして固めてしまいましょう。

まあまあ良い感じで取り付けできそうです。

この後、ドリルで穴を開けてボルトとナットを使って黒いカバーに仮止めしながら、浮いている部分をお湯で温めながら指で押し付けて形を馴染ませました。

※穴の位置は一発でうまく合わなかったので少し大きめの穴になってしまいました。

※黒いカバーの裏側には突起があります。その突起の部分にも穴を開けて突起を通しました。

MT-25へのスクリーン取り付け

純正の黒い小さいカバーとメーターの間に作成したスクリーンを挟み込む様に固定します。

外した時と反対に、六角レンチを使って締め込むだけで取り付け完了です。

※ちなみに六角レンチは結構使うので1セット用意しておくと何かと便利です。

割と違和感なく、まあまあ良い形になったと思います。

モールを取り付け

さて、どうしても切り口が綺麗に行かないですし、怪我でもするといけないのでモールを貼り付けて完成としました。

モールは裏に両面テープがついていますので簡単に貼り付けることが出来ます。

車のドアの端っこに貼り付けた物の余りです。せいぜい60cm位あれば充分足ります。失敗しても貼り直し出来ますので気楽に貼りましょう。

切りっぱなしより見た目が良くなるのでオススメです。

バイクのスクリーン自作完成

モールが付いていよいよ完成しました。MT-25用の自作ウインドスクリーン(風防)です。

実際に走ってみると、もろに当たっていた風が和らぎました。長時間の走行では結構良いかもしれません。

まあ、手作りとはわからない様な感じで、見た目も良くなったのではないでしょうか。

スクリーン越しに前を見ると歪みも少なく綺麗に見えます。このスクリーンの内側にドライブレコーダーのカメラを設置しても良いかもしれません。

走行テスト実施結果

早速走行テストを行ってみました。街中、峠道、高速道路と実験走行した結果です。

街中と峠道での実験

このスクリーンは実験兼ねて厚さ1mmの硬質塩ビ板で作ったものなので、手で触ると簡単に曲がります。

それでも街中や峠道での走行では支障ありませんでした。友人に手作りである事を話すと、えっ?自分で作ったのコレ?買ったみたいじゃんって。驚かれました。

高速道路での実験

問題は高速走行時にどうなるかですね。

スピードを上げて行くと時速90km位までは全然大丈夫ですが、100kmを超えてくると素材の強度が足りなくなってきます。120km以上になっても折れてしまうことはありませんでしたが、左右に歪みます。

ステーを取り付けて補強するか、2mmの塩ビ板かアクリル板を使って作り直した方が良さそうです。

材料の選定(アクリルMR板)

実験結果から、街中での使用には問題ありませんでしたが、高速道路の様に常時時速100km以上出ている状態だと強度不足だとわかりました。

そこで選んだのがアクリサンデーMR板という、表面処理してあってとても硬度が高いアクリル板です。お値段も良いのですが、ワイヤーブラシでこすっても傷が付かないという表面硬度と透明度は他の素材ではありません。

確かに塩ビ板と比べるとしっかり硬くて透明度がすごいです。これで作れば文句無しのスクリーンができますね。

アクリサンデーMR板のカット

さすがに普通のカッターでは大変な作業になります。アクリル板を切る時はPカッターを使いましょう。

黄色い方がPカッターです。刃先がPの字になっていて、硬質アクリル板を切るにはこれが一番です。

アクリサンデーMR板の曲げ加工

アクリル板をきれいに曲げるためには大きな鍋でお湯を沸かし、その中に入れて徐々に曲げてゆくのが良い方法です。

熱湯に入れて温めては曲げ、温めては曲げを何度か行いました。さすがに塩ビ板の様に簡単には曲がってくれません。

何度か行っていると徐々に曲がりが付いて、全体の曲面が綺麗に出来たので次に角の部分を曲げて作ろうと思ったのですがこれがなかなか手強いのなんの。お湯ではなかなか曲がってくれません。

ちょっと力を入れて曲げようと思ったところ、パキン!と音がして割れてしまいました。(あ〜あ)

アクリサンデーMR板で二枚目のスクリーンを切り出して再度挑戦。もう後がありません。

全体の曲がりはうまくできました。

角の曲がりはお湯では曲がらず、かといって専用の装置は持っていないためバーナーを使って焦がさない様に熱しながらエイヤ!っと曲げました。焦っていて写真に撮り忘れました。

割れてしまうMR板

無事に曲がりができて綺麗なシールドが完成しました。しかし、取り付けている時にピキッ!と嫌な音がしました。外してみると取り付け穴のところから上に向かってクラックが入っているではありませんか。

しかもそのクラックは触っているうちにドンドン伸びていって、ついに真っ二つになってしまいました。

表面硬度があって透明度が高いアクリサンデーMRでしたが、無理がかかるとすぐに割れてしまいます。難易度は高いと言えるでしょう。

あまりにも残念で写真に撮るのを忘れました。

※自分の加工の技術が完成していれば、これほど良い素材は無いと思われます。

素材の選定(PET樹脂板)

高価なアクリサンデーMR板を無駄にしてしまったのは痛かったです。2日ほどショックで気分は下向きでした。

それでも次の素材を探している自分。ネットで樹脂の板をいろいろ調べていると「PET樹脂板」というのを発見しました。

基本PETボトルの材料と同じという事で、強度もあって透明感も高いとの事でしたので早速注文して届いたのがこちらの板です。

サンデーPETの2mm厚の板です。

何しろ硬質塩ビ板で2枚の試作品を作り、アクリサンデーMR板で2枚作り(2枚とも割れた)今回は5枚目です。もういい加減嫌になってきました(笑)

それでも硬質塩ビ板で走行実験をした結果も踏まえ、もう一回り大きく作って風防効果を高めつつ、強度も維持しようと目論む「5枚目」のスクリーンです。

PET樹脂板の切り出し

今回の切り出しもPカッターを使って行いました。塩ビ板よりは硬く、MR板よりは柔らかいという感じです。

PET樹脂板の曲げ加工

今回も大きな鍋にお湯をたっぷり沸かしてその中に入れて曲げ加工を行いました。

今までのスクリーンよりも一回り大きくしたため、鍋ギリギリのサイズです。

まずは全体の曲がりをつけましたが、アクリサンデーMR板よりも素直に曲がってくれました。

ポイント

※全体を曲げる時は85℃位のお湯でやらないと表面が波打ってしまいますので注意してください。

次に角の曲がりを付けましたが、こちらは硬質塩ビ板の時と同じようにガムテープを貼って曲げたい箇所だけお湯をかけて曲げました。

やはり、アクリサンデーMR板よりも楽に曲げ加工が行えました。

PET樹脂板スクリーン完成

まだ保護フィルムをはがしてありませんので不透明です。

大きな二つの穴は、純正カバーの取り付け部分がスッポリ入るように直径30mmの穴を開けておきました。

MT-25への取り付け

実は、アクリサンデーMR板は割れてしまいましたが、取り付けをしている時に気がついたことがあります。それは、MT-25のポジションランプでスクリーンの縁が光るということ。

5個目のスクリーンは、ポジションライトの光りを拾って夜になると光る様に工夫しました。

カバーで挟み込み、ポジションランプの光りを拾える位置までスクリーンを下方向にも伸ばしています。

こうすることで夜間になるとこの様に縁が光ります。

赤い光りになるのはどうしてか?メーターの中の赤い光りも拾っているのか?素材の性質なのかもしれません。

どちらにしても夜間の走行が楽しいものになりました。隣に止まった車からも良く見えそうです。

「おっ?なんだあのスクリーンは?」

って感じで目立ちそうです。

昼間に見ると普通のスクリーンです。

走行してみると身体が受ける風圧がだいぶ軽減しました。ヘルメットが受ける風も減って風切り音が減りました。

また、充分な強度があるため高速走行でも歪むことはありませんでした。更に、こんな風にウインカーのステーに乗っかる様に作ったので二重で大丈夫というわけです。

スクリーン最終型の完成

追記:この後、PET樹脂を使ってもう一本スクリーンを作ってみました。どうせ作るなら今度はデザインにも凝ってみようというわけで、こんなデザインで切り出しを行いました。

切り出し手順や曲げの手順については前作を参考にしてください。

MT-25に小着した感じはこうです。実際に縦横1cm毎広くしていますので走行風はさらに軽減されてより快適になりました。

スクリーンの透明度と歪み具合をご覧ください。

まず透明度は素晴らしく、スクリーンの境目で色の変化はありません。また、歪みもほとんど無いためクリアーな視界が保たれています。

曲げ加工の時、軽くスクリーン全体を湾曲させるのですが、今回は熱湯を使わず85℃のお湯を使ってゆっくり曲げました。

※あまりに暑いお湯だと表面が波打ってしまいますので避けたほうが良いでしょう。

夜間に光らせてみました。これでナイトランが楽しくなります。

やはり赤く光りますが素材の性質のようです。青い光が吸収されてしまうということでしょう。

オススメ素材はPET樹脂板で決まり

今回、硬質塩ビ板・アクリルMR板・PET樹脂板と三種類の素材を使って5枚のスクリーンを作ってみた結果、カットや曲げ加工のしやすさと、強度と透明度でPET樹脂板が作りやすかったです。

✔︎ 硬質塩ビ板は1mm厚だったので加工は行いやすかったのですが強度が足りませんでした。また、耐候性がイマイチで、屋外で使っていると早い段階で劣化してしまうという弱点があります。また、2mm厚にすれば強度は出ますが、他の素材に比べると透明度で劣ります。

✔︎ アクリルMR板の表面硬度や耐候性にはすごい魅力があるのですが、自分の加工技術を磨かないといけません。割れやすいという弱点もあることがわかりました。お値段も高いですしね。

✔︎ PET樹脂板はカットは行いやすいですし曲げも行いやすいです。また、透明度も申し分ありません。アクリルMR板の様な表面処理はされていませんが、割れにくい素材なのがありがたいです。

ダメになってきたら気軽に作り直せるということで、今の一押しはPET樹脂板です。

今後の展開

✔︎スクリーンの裏からスモークフィルムまたはミラーフィルムを貼る。

ミラータイプのフィルムを貼れば目立ってカッコイイかもしれません。今度やってみます。

✔︎もう少し背の高いスクリーンを作って風当たりを軽減する。

長距離ツーリングをする時は取り替えて行きたいですね。でも、風圧に耐えられるサイズに作らないといけないですね。

今回使った素材はこちらです。

硬質塩ビ板1mm厚サイズです。加工しやすさならこれが一番です。

表面処理されたアクリル板(MR板)です。加工は難しいですが質感は最高です。表面硬度が高くて傷が付きにくいのが特徴です。

今回作ってみてオススメなのはPET樹脂板です。加工のしやすさと透明度と強度に優れています。

私は幅450mm長さ900mm厚さ2mmの物を買いました。このサイズだと一回失敗しても二枚目を作り直すことができます。次に大きなサイズを作ってみようと思う時もこれ一枚で大丈夫です。

六角レンチは一組持っていると何かと便利です。

あまり安物はオススメできません。

ちなみにヤマハ純正のスクリーンはこちらです。(MT-25 MT-03用)やっぱり純正品という安心感がありますね。取り付けも簡単にできます。

汎用スクリーンはもあります。ただ、汎用なので取り付けは多少の加工が必要になるはずです。

最後にもう一度ご覧ください。PRT樹脂板の完成品です。

夜には縁が光る様に工夫しました。夜間走行が楽しいです。

実際の走行では、もろに身体に当たる風圧が大幅に改善されました。

長距離移動や高速道路の走行が多い方はあると非常に楽になるはずです。疲れ方が違います。

オススメです。

追記:MT-09のヘッドライトが欲しい

MT-25のカスタムの中で、MT-09(2017年以降)のヘッドライトを取り付けるカスタムがあるのですが、あれはカッコイイですね。あれをやりたいと思っていろいろ調べています。

もしもやると、せっかく作ったスクリーンも作り直しになってしまいますが、PET樹脂板だから作りやすいので大丈夫です。

ちなみに、MT-09のヘッドライト移植はYSP(ヤマハスポーツプラザ)で行ってくれるお店がいくつか存在します。

私が住んでいる長野県にはYSPが一軒しかないのですが、ホームページを見たところそういうカスタムについては触れられていませんでした。

ヘッドライト一式の取り寄せは出来ますが、取り付けは非常に面倒臭そう。お店にお願いすると15万円程度予算が必要。

悩ましいです。