ZAKUⅡ-F2「土建屋さん仕様」
機動戦士ガンダムの中では「やられ役」の量産型ザクⅡですが、なぜか格好良く思えるのは自分だけではないはず。今回は0083に出てくる機体を改造して建設現場で活躍する工事用ザクを作ってみます。
勝手な設定としては、軍の払い下げマシンを土建屋さんが購入し、工事仕様に改造して使われており、オペレーターは親方クラスの人物で堅物。油圧で動作するハンドクラッシャーを装備しますので、ランドセル(今風に言うとバックパック)は油圧装置に改造です(笑)
使用するキットはHGUC 105 MS-06F-2 ZAKUⅡF2 です。

長期休みの楽しみにガンプラ
12月25日のクリスマス。
もうすぐ年末年始休業です。一年良く働いた自分へのご褒美というか、息抜きのためというか。お正月はこいつをつくるぜ。
というわけで今日のところは箱を開いて構想を練るところまでです。
ガンプラパーツの切り離し方
12月28日
さあ、明日から年末年始休業だ。ガンプラ作りを始めましょう。
最初の一歩は切り離しです。
これを丁寧に行うことで仕上がりに差が出ますので慎重に行いましょう。
いきなり部品ギリギリの場所で切らずに、遠い所を(ランナーの部分)ニッパーでカットします。
次に、ニッパーを部品ギリギリの所に当てて残ったゲートの部分をカットします。
このニッパーはタミヤのプラモデル専用の物です。ちょっと高いけれど切れ味が良く、切り口がスパッときれいに仕上がります。
さすがタミヤです。オススメです。
素組みで楽しむ方も、この工程を丁寧に行うことで仕上がりに差が出ますし、塗装する場合にも後の処理が楽になります。
あとは説明書にそってパチパチとはめて行くだけで、接着剤は全く使いません。今のガンプラはすごいです。
素組ZAKU完成
とりあえず、素組みの状態のザクをご覧ください。これはこれで良いですね。
ここまで作るのにテレビを見ながら大体2時間位でした。
MS-06F-2キットの全体像と修正箇所
12月30日 今日も張り切って作ってみましょう。
・全体的にバランスが良いスタイルで、綺麗ですしカッコ良いです。欲を言うと頭がちょっと小さい気がします。(Amazonの評価でもそう言っている人がいます。)これを大きくするには他のキットから流用するしかないですね。
比べてみると明らかに小さいのがわかります。
ちなみにシンマツナガ型のザクは簡単に取り替えができました。
色が合わないので変な感じですが、大きさ的にはバッチリです。モノアイはレンズを作って入れてあります。
・今回のキットもモノアイはピンクのシールなので、レンズを作って埋め込みたいと思います。
・左肩アーマーの真ん中に微妙なラインが入ってます。これはパテで修正してラインを消してしまいましょう。
・右肩アーマー(盾)の上部には微妙な4本のラインが見えます。これも修正しましょう。
・右肩アーマー(盾)の真ん中あたりに、プラスチックを金型に流し込んだ時に出来る合わせ目が盛大に出ています。これはペーパーで消してから全塗装しないといけません。
まあ、このキットは大きく手を入れる場所はありませんので割と手軽に楽しめる方だと思います。
モノアイレンズの作成と装着
さて、いよいよカスタム化が始まります。その第一弾はモノアイです。「目は口ほどにものを言う。」ではありませんが、ザクの目もシールを貼るだけよりレンズを入れた方がものを言う様になります。
頭部のバラし
接着剤を使っていないので何度でもバラせるところが良いですね。
カッターの刃や細いマイナスドライバーなど、鋭いものを差し込みながら割れない様に慎重に合わせ目を開くとパーツの状態に戻ります。
モノアイレンズの穴あけ作業
黒い部品からシールをはがして出っ張り部分をノギスで測ってみたところ、2.5mmでした。
ここに2.5mmのドリルの刃を使って穴を開けます。
穴の大きさは後で棒ヤスリを使って調整しました。ドリルは3.6Vの小型の充電式ドライバードリルです。模型に穴を開ける時などとても重宝しています。
透明パーツはF-16のキャノピーのランナー
今回使用したのは、戦闘機のF-16を作った時のキャノピーのランナーです。これをカットしてモノアイのレンズを作ります。こういうのも捨てないで取っておくと良いですよ。
・長さ1cmほどにカットして紙やすりで磨きます。
前面の部分を丸く、レンズっぽく削って行きます。最初240番の粗目の紙やすりで形を整え、最後は400番で磨きました。
・表面はコンパウンドで艶出し。
これは自動車の塗装を磨く時のコンパウンドです。キッチンタオルの上に少量出してから、表面につやが出るまでこするとピカピカになります。
レンズの長さを1.5mm程度にカットして裏面を紙やすりで削って整えます。裏面はピカピカにする必要はありません。
レンズは裏から着色
蛍光ピンクの塗料を使って裏側だけ色付けを行いました。塗料が乾くまでしばらく待ちましょう。
細い作業ですが、この蛍光塗料が威力を発揮します。
頭部を組み直して装着
レンズを入れて、もう一度頭部を組み直してから装着してみました。良い感じでモノアイが光ります。シールとはえらい違いになりました。
ちなみに、モノアイのベースはつや消し黒で塗装しておきました。
手間はかかりますが、やる価値がある作業です。
次は、全塗装前のライン消しや合わせ目消しに入って行きます。
パーツの合わせ目消し
12月31日 大晦日
素組みしたザクを一旦バラしてからパーツの合わせ目を消す作業をしました。
気になる部分をアップにしてみます。これは腕の部分ですが、金型の筋とゲートの跡がよく見えます。
これを400番くらいの耐水ペーパーを使って水研ぎします。
次は左肩アーマー(盾)の微妙な筋を消します。
耐水ペーパーを使って丁寧に削ります。
表面に筋や合わせ目が見えなくなるまでペーパーがけをします。
一部パーツは接着します。
接着剤を使った方が良いパーツは写真の三点です。左肩アーマーと両肩のパーツです。
左肩アーマーを例に接着してみましょう。合わせ目の部分にタミヤセメントを塗ります。もう片方にもしっかり塗ります。
アーマーを合わせてから洗濯バサミで挟んでおきましょう。他のパーツも接着したら固まるまで半日くらいはこのまま挟んでおきます。
大きなデコボコはパテで修正
左肩アーマーの真ん中に盛大に出ている合わせ目はパテを使って修正します。タミヤパテを楊枝にとって段差を埋めるように塗ります。
このまま一晩置いてパテが固まるまで待ちましょう。
大晦日に紅白歌合戦を聞きながらの作業でした。
1月2日 パテの修正
さすがに元日には作業をしませんでしたので、1日以上開けての作業です。パテも充分に硬化しています。
左肩アーマーのパテを耐水ペーパーを使って水研ぎしながら段差が出ないようにします。
ちょうどアーマーの段差の部分にパテが入って滑らかに仕上がりました。
その他のパーツも全部外してペーパーがけを行い合わせ目消しをおこないました。次は下地塗装です。
サフェーサー(プライマー)塗装
1月6日 今日は1日お休みなのでしっかりと進めることができそうです。
まずは割り箸に巻きつけたガムテープにパーツを貼り付けます。あまり間を詰めない様にしましょう。刷毛を使ってゴミや埃を落としておきます。
サフェーサー(プライマー)を吹きます。
このプライマーは何と自動車の塗装を行うときの物です。ホルツのプライマー(グレータイプ)なのですが、綺麗に下塗りが出来るので愛用しています。
エアーブラシだと時間がかかるのですが、これを使えばかなりの時間短縮になります。下地のダメな所や合わせ目の筋が消えているかなどがよく見える様になります。ダメなところはもう一度ペーパーがけを行ってからプライマーを吹きます。一度で塗らずに二度塗りで仕上げます。
ガンメタパーツの塗装
関節部や動力パイプ、手などのパーツはガンメタで塗装しますが、やはり下地はこのプライマーを吹いてからホルツの自動車用ガンメタを吹きます。
やはり綺麗に仕上がりますので重宝しています。二度塗りです。
満を持してエアブラシ登場
ボディーのパーツは微妙な色合いになりますので、自動車用塗料だと気に入った色がありません。そこでタミヤのエアーブラシ(スプレーワーク)の登場です。
かなり使い込んでいる様子が見えますが、値段もまあまあ安くて綺麗に塗れるので私はこれを愛用しています。
塗料を調合
塗料はMrホビーの水性塗料を使っています。
塗料皿に黄色を出し、赤を少々混ぜて気に入った色に調合します。水を入れて良くかき混ぜてからスプレーガンのタンクに移します。ここで良くかき混ぜておくのが大事です。
塗装は一度で終わらせようとせず、何度も何度も乾かしては重ね塗りを行います。冬場で乾燥が遅い場合はドライヤーを使うと良いでしょう。あまり近づけずに離して温風を当ててください。
塗装完了後のピカピカマシン
実際工場から出荷された時はこんな感じの新品マシンなのでしょう。
これはこれで良いのですが、新品すぎてダメですね。
水垢汚れを再現する。
使ったのはアクリル絵の具の黒です。塗料皿に出して水を入れて薄くして、筆を使ってボディー全体に塗ります。水垢が溜まりそうな場所はより多く塗っておき、一旦乾燥させます。
乾いたら塗り、乾いたら塗りを何度か繰り返します。
水に濡らした綿棒で拭き取り。
綿棒を使って、屋外で使用していて水垢汚れが付いた様に拭き取ります。
水垢汚れが溜まりそうな場所を特に多く残しながら、全体的に黒っぽく汚します。
ど新品に比べると使い込んでいる感が出てきたと思います。家の重機の水垢汚れを参考にしています。
今日の作業はここまで。次回は角の塗装剥がれや錆、オイル汚れなどを再現したいと思います。

塗装剥がれはシルバーで再現
現場で作業していると、どうしても角をこすったり、ぶつけたりして塗装が痛むものです。そんな塗装剥がれを再現するのはシルバーの塗料です。
硬めの筆と水性塗料のシルバーを使ってやってみます。
筆の先にシルバーを少量つけた後、ティッシュで拭き取ります。
半乾き状態になったらアーマーの角や足や胸など、作業していて擦りそうな場所に塗って行きます。
オイル漏れを再現するアクリル絵の具
次は左肩の稼働部のオイルシールが破れてシミになった様子を再現したいと思います。
使うのはアクリル絵の具で、黒にオレンジを混ぜて劣化したオイルの色に似せます。
混ぜた絵の具を左肩から下に垂れた様に塗って、オイル汚れを再現しました。なんだか汚ったないザクになりましたが、現場で使う機械なんて水垢に土ぼこりにオイル汚れが結構凄いです。それでも洗車なんてしないからこんなもんです。
削岩機はライフルを改造して作成
当初ハンドクラッシャーを持たせるつもりでいましたが、作るのが結構大変なので後回しにして、付属のライフルを改造して比較的簡単に作れる削岩機を持たせることにしました。
ライフルの銃身の部分をカットして削岩機の刃を取り付けました。刃は部品が付いていたランナーを切って先っぽをヤスリで削って尖らせました。
持ち運びやすい様に取っ手を付けてからサフェーサーを吹きました。この後、黄色く塗って汚しを入れます。
削岩機の塗装は筆塗りで
これのためにエアーブラシを用意するのは面倒なので筆塗りで仕上げます。

筆塗りだと表面がボコボコしたりしてきれいに仕上がらないのがかえって雰囲気が良かったりもします。
あとはコンプレッサーから伸びるホースを取り付けて、ザクの手に持たせれば完成というところです。
エアーホースは熱収縮チューブと電線
次に、削岩機とランドセルのコンプレッサーとをつなぐエアーホースの作成に入ります。
用意したのは熱収縮チューブと電線です。元々電線やつなぎ目を保護して絶縁するための物ですが、質感がエアーホースや油圧ホースに似ているためよく使っています。
長さを合わせて切ったチューブの中に電線を入れます。中の電線を少し短くしておき、ドライヤーで熱を加えるとチューブが縮まって電線にピッタリまとわりつきます。
※中に電線を入れないと曲がりでチューブが折れてしまってダメです。
出来上がったエアーホースを削岩機につなぎます。ホースの先にはランナーを入れ、小さな六角ナットを入れてそれらしく作りました。
削岩機の後ろにドリルで穴を開け、ランナーを差し込みます。
さらに、アルミテープを1cm角に切って根元に巻きつければ、エアーホースと削岩機の接続部分の完成です。
つや消しコートで仕上げ
ここまで来たら本体と削岩機にMrホビーのつや消しコート剤を吹きましょう。モノアイはつやが消えてしまうと困るのでマスキングテープで覆っておきました。エアーホースは質感が変わってしまうといけないので同じくマスキングしました。
このつや消しコートで仕上げると、艶が消えてより本物っぽい感じに仕上がるのでオススメです。軽く一回薄く吹くだけで充分です。
土建屋さん仕様F2ザク完成
キットに手をつけたのが12月25日で、今日は1月14日ですから21日目にしてほぼ完成です。
削岩機を構えるMS-06ザクⅡ-F2土建屋さん仕様の勇姿を見よ(笑)
トリガーを握る指が良いですね。元々このザク用のライフルだったのでピッタリです。
レンズに交換したモノアイはこんな感じに光って見えます。
エアーホースに書いてある文字も生かしてみました。それらしく見えるので良かったです。
最後にもう一度、削岩機を構えた勇姿を見よ。
好き嫌いはあると思いますが、こういうのもガンプラの楽しみ方の一つとしてご覧いただけたらと思います。
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今回作ったキットはこちらです。
楽しいガンプラライフを。