椎茸栽培用の原木伐採から駒打ちと収穫までの記録(動画有)

自家製きのこのススメ

自宅で椎茸の栽培が出来たら楽しいですよね。しかも新鮮で肉厚で美味しい椎茸を自分で収穫して食べるなんて最高に幸せです。

でも、原木はいつ用意しよう?どうやって菌を植え付けるんだろう?管理はどうするんだろう?

森や林を所有していなくても大丈夫です。原木はホームセンターやAmazonで購入できますし、自宅の北側のあまり日が当たらない場所、軒下などに置いておけば春と秋の年二回収穫ができてしまいます。

今回は私の家で行っている原木の伐採から駒打ちまでについてを書いてみます。まずは原木の事からご覧ください。

しいたけの原木を伐採

しいたけの原木に適した木

コナラ、ミズナラが最も適しています。クヌギも良いですが、ナラの木に比べると原木が若干長持ちしない様な気がします。比較的早くボロボロになってしまう様です。(正確にはわかりませんがそんな感じがします。)

みんないわゆるどんぐりの木ですね。

表面の違い
しいたけの原木に適したナラとクヌギ

また、ナメコやクリタケの原木としても良いでしょう。

原木の入手はホームセンターやAmazonなどでも可能です。

原木の伐採時期

秋に紅葉が始まったら頃から春の新芽が出るまでの休眠期間が伐採時期となります。
地域によって少し違いはあると思いますが11月頃から3月いっぱい位ですね。

4月になると水を吸い始めるのでダメです。3月中に終わらせましょう。

伐採したら春まで山に置いておいて、暖かくなって雪が溶けたら玉切り(約90cm)して運び出します。玉切りしたら雑菌が入り込まないうちに、なるべく早く植菌をした方が良いとされています。

しいたけの原木を玉切り

本来のやり方と違うのですが、私の家では3月末頃に伐採し、すぐに玉切りして運び出し、積み重ねて1ヶ月位乾燥させゴールデンウイーク頃に駒を打つパターンで栽培する事が多いです。

これでも大丈夫です。きちんと収穫できています。

ちなみに子供の頃の春休みは原木伐採の日々でした。

ナラとクヌギ

裏庭に山積みになったナラの木とクヌギの木です。駒を打つ原木が400本位あります。

手前の細かいのや太いのはお風呂の薪として使います。親父たちの家の風呂釜は薪を使うタイプなので無駄なく使えます。

種駒の購入

その1 近くのホームセンターで買う。
その2 種屋さんやJAの資材センターで買う。
その3 ネット通販で買う。

※駒打ちされている原木を購入するという手もあります。ホームセンターやAmazonでも植菌済みの原木を売ってました。

私の場合、駒打ち時期が遅くて近くのお店では品切れになってしまいますのでAmazonで購入することが多いです。

原木しいたけ栽培

この種駒「森290号」(にくまる)を原木に打って1年半後の様子です。

とても肉厚で食べ応えがあって、美味しいしいたけが生えました。

2018年春。駒打ちから丸二年が経過した原木です。

すごい量です!

この菌です。オススメです。

いろいろな種類を作ってみましたが、家族からも友人からも一番よろこばれているのがこの菌から生えたしいたけです。

植菌(駒打ち)の方法

いよいよ駒打ち作業に入ります。根気のいる作業ですので一人でやらず、大人数でやるとにぎやかで楽しく出来ます。

駒打ち時期

2月〜4月、梅の咲く時期から桜の咲く時期までが良いとされています。我が家の場合はもうちょっと遅くてゴールデンウイークに行っています。大勢集まると楽しく出来るのでそんな時期になってしまいます。

駒打ちに必要な道具

穴を開ける刃(ビット)以外は普通にDIYで使うドリルや金槌で大丈夫です。

しいたけビット

原木に穴を開けるために必要なドリルの刃です。私は直径8.5mmの物を使用しています。8.0mmだと穴がきつくてうまく打ち込めません。9.0mmだとブカブカです。

電気ドリル

大きめのドリルでトルクが強い物の方が良いでしょう。安物のドリルだとパワーが足りません。

原木しいたけ栽培

金槌(かなづち)

工作に使う様な金槌で大丈夫です。重い物だと手が疲れてしまいますので軽くて大丈夫。木槌でも良いです。
原木しいたけ栽培

駒打ちの間隔

直径10cm位の原木を例にすると、一列15cm間隔で4列穴を開けます。1本あたり25個程度の穴あけです。千鳥状に穴けて行きます。直径8.5mm深さ20mm〜25mm程度の穴になります。

原木しいたけ栽培

直径15cm位の原木だったらもう一列追加します。

直径20cmを超えるような太い木は穴の深さを30mm程度にしたほうが良いとされていますので普通のドリルの刃で少し深めに開けましょう。

駒打ちの方法

金づちで樹皮と駒の頭が平らになるようにコンコン打ち込みます。

原木しいたけ栽培

木の皮と駒の頭が平らになる様に打っておけば大丈夫です。あまり深く入れない方が良いそうですのでこんな感じに打ってください。

原木しいたけ栽培

この後、山に運んで半日陰になる場所に伏せておきます。

梅雨時になったら立てて組んでおきます。

夏場、日当たりが良すぎる場合は寒冷紗を広げて調整してあげましょう。

家で栽培する場合は北側の壁の日が当たらない所に立てて置いて、乾燥しない様に時々水をまいてあげれば大丈夫です。

さて、収穫開始は1年半後の秋になります。楽しみですね。

しいたけ栽培のその後

2018年5月追記分

今年もゴールデンウイークに皆が集まりましたのでコマ打ちを行いました。

写真を撮っている私まで含めて7人で作業を行いましたのであっという間に終わってしまいました。

手伝ってくれた人達は帰る時、二年前にコマ打ちした原木を持って帰り、家で育てます。もう出る様になっているので大丈夫です。

今年は新たに中高温型の森Y602号という種駒をAmazonで購入してみました。青い箱が夏場でも収穫ができる森602号です。

緑がいいつもの209号で、ピンクがなめこの種駒です。

なめこのコマ打ちも基本的にしいたけと同じ方法で大丈夫です。

ただ打った後、どれがしいたけで、どれがなめこなのか?わからなくならない様にしないといけません。私は缶スプレーで箱の色に合わせて吹き付けています。

青い箱の夏用しいたけは青のスプレー。緑の箱の春秋しいたけは緑のスプレー。ピンクの箱のなめこは赤いスプレーです。コマを打ったら切り口のところに軽くシュッと吹いて色付けをして見分けています。

山に伏せるときはなめことしいたけはあまり近くに置かないようにしています。

ちなみにこちらが2016年春に駒打ちしたナメコで、2018年秋の様子です。

アップにするとこんな感じになります。とても美味しそうです。

2020年5月追記分

本年は山に発電機を持ち込んで山で駒打ち作業を行いました。軽トラで家まで運んで作業して、また山まで運ぶ手間が省けます。

ポータブル発電機は一台あると何かと便利ですね。

しいたけの収穫

2016年に駒打ちしたしいたけが今年も収穫できました。収穫できる時期は春と秋の二回になります。

春は気温が上がってきた5月になってから。秋は気温が下がってきた10月下旬頃から。適度に雨が降ってくれると沢山収穫できます。

太めのナラの木に駒打ちしたしいたけもボチボチ出ています。

友人宅に持って行ったら大喜びでした。

しいたけ栽培のまとめ

原木の伐採は怪我をしないように気をつけて行いましょう。

時期を逃すと木が水を吸ってしまいます。すると菌の回りが悪くてなかなかしいたけが生えないそうです。4月になったらダメです。

紅葉〜3月末くらいまでに終わらせましょう。

ヒラタケやなめこ、クリタケなどの種駒も売っていますのでいろいろ植えてみるのも楽しいと思います。

植菌は2月下旬頃から4月下旬頃まで。ギリギリでゴールデンウイーク。

それを過ぎると遅すぎます。時期のある作業ですので遅れない様に作業しましょう。

ちなみに、駒打ちが済んでいる原木を通販で買うことができます。とりあえず数本から栽培を始めてみるには良いでしょう。

しいたけ栽培にオススメ種駒通販

しいたけビットはこちらです。(穴あけドリルの刃)

肉厚しいたけの種駒はこちらです。(春秋収穫型)

夏に収穫出来る肉厚しいたけの種駒はこちらです。(中高温型)

なめこの菌はこちらです。よく生えます。

森産業さんのキノコは肉厚ですし、良く発生するのでおススメです。

ちなみに、最初から菌を打ち込んである「しいたけの原木」もあります。

駒打ちの様子を動画にしましたので良かったらご覧ください。

家庭菜園のことをまとめたページこちらから。

家庭菜園の話

原木しいたけを栽培している人のホームページ。

キノコ(シイタケ、ヒラタケ、クリタケ)の原木栽培の方法