介護福祉士を目指している方はそろそろ筆記試験の合格通知が自宅に届いた頃ではないでしょうか。これから実技試験に向けて練習ですね。

私は第16回の合格者なのですが、この回から利用者さんに選択していただく事が入って来て、そこに結構重みがあると感じているのです。

なぜなら、この時一緒に受験した人が制限時間内に最後まで出来たけれど、レクレーションの内容を選択していただかず、私が決めて行ってしまった!と言っていました。他に大きなミスはしなかったはずと言っていたのできっとこの選択に重みがあったのでしょうね。その方は残念ながら不合格だったのです。

本日は第16回の試験問題を題材に実技講習会を行ってきました。今年の受験生は筋が良くってどんどん吸収してくれます。期待できそうです。

第16回問題車椅子段差越え

車椅子で段差の越え方を練習している様子です。実際の試験もこんな角材が置いてあって、それを段差と見立てて越えました。

ちなみに問題は以下のとおりです。

第16回実技試験問題

伊藤広さん(76歳)は右半身に不全麻痺があり、右手を使うよう心がけています。移乗や移動には一部介助が必要です。

居室でいすに座っている伊藤さんを、レクリエーションのため、車椅子で白線に沿って隣室に移動介助してださい。車椅子のまま、ボール・お手玉・色紙のどれか一 つを使って一緒に活動し、途中であっても2,3回で終えてく ださい。なお、移動の途中には段差があります。

伊藤さんは、「はい」、または「うなづく」のみです。

(試験時間5分)

第16回試験見取図

第16回 介護福祉士実技試験のポイント

次の5点に注意して実技指導を行ってきました。

・車椅子の点検と置く位置。

・移乗時に残存機能の活用と安全確保。

・段差越えの前に一旦停止、声かけ。アームレストにしっかりつかまってもらう。

・レクレーションは利用者に選択してもらう。

・レクレーションで麻痺側の右手を使う。

 

本日行った実技講習の台本

実際の試験でもほぼこのとおり行っていますので練習の参考にしてみてください。

①あいさつ

伊藤さんの左前方に歩み寄り、腰を落として膝を立てて目線を同じ高さにして話す。

伊藤さんこんにちは、ヘルパーの◯◯です。よろしくおねがいします。

今日は隣の部屋でレクレーションをする予定ですが、体の具合は大丈夫ですか?

伊藤さん頷く。

では、車椅子を用意しますのでそのまましばらくお待ち下さい。

②車椅子の点検

車椅子のタイヤに軽く手を添え空気圧を見る。

③車椅子への移乗の準備

車椅子を伊藤さんの斜め左前につける。健側に着けるのが基本。

伊藤さんに浅く腰掛けてもらう。

少し前に出て浅く腰掛けていただけますか?

麻痺側(右)のお尻が前に出なかったら、右のお尻と右の膝に軽く手を添え前に出す。

少しお手伝いしますので一緒に動いてください。1、2。

立ちやすいように足を引いていただく。

すこし足を引いていただけますか?

麻痺側の足が残ったら。

こちらお手伝いします。と言い、右足の踵と甲に手を添えて押し込む。1、2。

車椅子をギリギリまで寄せる。

(フットレストが伊藤さんのふくらはぎのところまで入ればなお良い。)

伊藤さんに車椅子の左アームレストにつかまっていただく。

車椅子の左アームレスト(ここ)につかまっていただけますか?

介助者は伊藤さんの右に立ち、介助者の左手を伊藤さんの腸骨のあたりに、介助者の右手を伊藤さんの右手に添えて保護。介助者の右足つま先を伊藤さんの右足つま先の前に置き滑りを防止。介助者の右足の膝を伊藤さんの右膝に当てる様にして膝折れを防止する。

④移乗

車椅子に移乗する旨を伝え立ち上がっていただく。

では1、2の掛け声で立って車椅子に乗ってください。1、2。

お尻をまわしてゆっくり座ってください。

深く腰掛ける。

座りが浅いと思われるので座り直していただく。

深く腰掛けていただけますか?

右のお尻が残ったら右足の膝とお尻に手を添えて、こちらお手伝いします。1、2。で押す。

座り心地を聞く。

座り心地は大丈夫ですか?

フットレストに足を乗せる。

フットレストに足を乗せていただけますか?右足が出来なかったら聞いてみる。

こちらは出来ますか?首を横に振るか無反応の場合、ではお手伝いします。

右足の踵に手を添えて持つ。片手でフットレストを開き足を乗せる。

⑤移動開始

車椅子のブレーキ解除。

車椅子のブレーキを外していただけますか?右側が出来なかったら聞いてみる。

こちらは出来ますか?出来なかった場合、こちらお手伝いします。と言い解除する。

では、前に進みます。と言い車椅子をゆっくり前進。

曲がり角が来たら左に曲がります。と言い左に曲がる。

⑥段差越え(段差は約10cm角材)

段差の前で一旦停止。(フットレストやつま先が段差に当たらないように注意)

これから段差を越えますのでしっかりつかまっていただけますか?

前が上がります。と言い車椅子の前を上げ、上げたまま前進し前輪が段差を越えたら前輪を下ろす。

今度は後ろが上がりますのでしっかりつかまっていただけますか?と言い、後輪を持ち上げ前進。段差を越えたらゆっくり着地する。(ドスンと着地しないように注意する。)

⑦再び前進

大丈夫でしたか?と聞いてから、前に進みます。と言ってゆっくり前進。

曲がり角の手前で左に曲がります。と言って左に曲がる。

⑧テーブルにつく

伊藤さんの手に注意しながテーブルにつく。アームレストがテーブルに当たるか当たらないか位の位置。

この位の位置で大丈夫ですか?と聞いてみる。首を横に振ったらもう少し奥ですか?と聞いてみる。頷いたら、少し奥に入ります。と言い車椅子を押し込む。

ブレーキをかけていただく。

⑨レクレーション開始

それではこちらにレク用品がありますがどれを使いましょう?

お手玉にしますか?折り紙にしますか?ボールにしますか?と聞いてみる。

(絶対こちらで決めてはいけない)

伊藤さんはお手玉で頷き、お手玉に決定。

※何を選ぶかわからないのであらかじめ三種類のレクを考えておかなくてはならない。

では、右手も使うように心がけていると聞いていますので、右手を使ってみましょう。

このお手玉3個を右手を使って私の方に移動してもらえますか?

伊藤さんは右手を使って介助者の方に移動する。

今度は右手で掴んで戻すことは出来ますか?

伊藤さんは首を横に振る。

わかりました、練習して出来るようになるといいですね。

⑩終了宣言

その場で立ち、試験官の方を向いて終わりを宣言する。

終わります。

こんな感じです。

明日は第17回の問題を行います。床に長座位で座っている利用者さんに立ってもらう!ここが最大の難関ですね。

ふう、くたびれた。お休みなさい。