ホンダHS970(ミツビシMMS970)点検項目
写真のマシンはホンダの除雪機ですが、三菱の名前でも売っていました。シールがMITSUBISHIになっているだけで、中身はホンダです。
平成15年頃の機械なので結構年数が経過していてあちこち不具合が出てきています。
電動シューターのトラブル
先日、地区内のおじさんからこんな依頼がありました。
おじさん 「除雪機の飛ばす所が動かなくなっちまっただよ。見てくんねか。」
わたし 「いいですよ。どれどれ。」
これはおじさんのご近所数軒で共同購入して使っているマシンでホンダのHS970。以前も同じタイプを直した事があるのでピンと来ました。
トラブルの多くはバッテリーが原因
わたし 「これはね、バッテリーがダメになってるだよ。」
おじさん 「エンジンはかかるから動くじゃねえだか?」
わたし 「バッテリーがお亡くなりになってると電動シューターを動かすだけの電力が供給できないだよ。」
「少ない発電量をバッテリーにため込んでおいて動かしているもんだから、バッテリーがダメになっていると電気がたまっていなくて動かないだ。」
「バッテリーが元気だとたまっている電気で元気に動くだ。」
おじさん 「何だそんな簡単なことか。」
バッテリーが原因の時の症状
エンジンがかかっている時に、電動シューターのレバーを左右に動かすと微かに動く、または非常にゆっくり動く。動かないけど、手を添えれば何とか動く。
この症状の場合はバッテリーを交換するだけで直ってしまいます。
※ちなみに車からブースターケーブルをつないで充分な電力を供給すれば元気に動きます。試してみてください。
モーターが故障している時の症状
バッテリーを交換しても全く動かない時は、モーターが壊れている可能性があります。
まずはバッテリーを購入する前にやってみると良いのですが、車からブースターケーブルをつないで充分な電力を供給してみてください。それでも動かなければやっぱりモーターかギヤが壊れている可能性が高いです。
※部品を取り寄せて交換しないとダメなので、修理は業者さんにお願いしましょう。
除雪機のバッテリー交換
ここがバッテリーの場所です。
早速ケースを外します。下の蝶ナット2本を緩めて黒いケースを持ち上げます。
案の定、バッテリーが干からびています。今まで全然メンテナンスしてないそうです。
交換は簡単です。ゴムベルトを外し、端子を外して新しい物に変えるだけ。
ちなみに近くの農機具やさんに交換してもらうと工賃込みで2万円!!って言われました。
※知らないふりして聞いてみたのです。
付いていたのはバイク用のバッテリーでYUASA YB12AL-Aなのですが、同じ物は1万円近くします。互換品で充分ですので交換しましょう。この修理は頼まれて何台か行った実績がありますので、このバッテリーで大丈夫です。
YB12AL-Aの検索結果です。値段の安い互換バッテリーでも充分動作します。
ホンダHS970(ミツビシMMS970)のオイル交換方法
ついでにオイルの交換方法を教えてあげましたが、おっちゃんが自分で行うと言うのでやり方だけ説明しておきました。
エンジンの左側を見てください。オイルプラグ(入れる場所)とドレンボルト(抜く場所)があります。
1・2~3分暖気運転してオイルをやわらかくします。
2・ドレンボルトの下に受け皿を置きます。
3・オイルプラグを回して外します。
4・ドレンボルトを外します。メガネレンチなど使って回します。
5・しばらく待ってオイルが出なくなったらドレンボルトを締め付けます。
6・給油口から1リットル位給油します。
口元までいっぱい入れたらOK。オイルプラグをはめて終了です。
[エンジンオイルはガソリン自動車用の5W-30SE級以上でOKです。
1リットル缶で足りますが、4ℓ缶を買って残ったら車に使っても良いでしょう。
純正じゃないと何だか気持ち悪いと言う方は、ホンダ純正のエンジンオイルをどうぞ。除雪機のオイル交換は簡単なので皆さんも行ってみてください。
HST(走行用油圧オイル)の補充方法
この除雪機は油圧走行のタイプなのでこんな物が付いています。
走行する前、冷えている時に量を見てください。
線と線の間になるようにオイルが入っていないといけません。
足りないと走行できなくなりますし、油圧装置が壊れますから注意です。
一応取説にはこちらが指定されていますので、純正を入れておいてください。これも簡単な作業なので行ってみてください。
すり減ったスキッドの交換
オーガの下に付いているスキッドがもうすぐ切れそうです。
長年使っていると擦れてこんな風になってしまいます。切れてしまうと道路や土に引っかかってうまく除雪できなくなりますので早めの交換を行いましょう。
業者さんに部品を取り寄せてもらい、自分で交換しましょう。
高さ調節が出来ない
レバーを握ってもスカスカで、高さ調節が出来なくなってしまった時はこのダンパーがダメになっています。
このパーツも業さんに部品を取り寄せてもらい、自分で交換しましょう。
除雪機の修理点検まとめ
普段からメンテナンスしていないと、いざという時動かない!とか調子悪い!!って事になってしまいます。大雪が降る中で修理なんて嫌ですから、天気の良い日に点検しておきましょう。
私がお世話になっている除雪機ネットさんのホームページです。年間1000台の除雪機を売るというのでさすがに詳しいです。パーツや用品も充実しています。
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